特急「くろしお」60周年記念ラッピング列車運行開始。「パンダくろしお」はどうなるのか?
▼2025年3月1日に特急「くろしお」は運行開始60周年を迎えました。これを記念してラッピング列車が運行されることがJR西日本のニュースリリースで発表されました。
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250516_00_press_Kuroshio60thwrapping.pdf
▼特急「くろしお」は1965年3月1日に天王寺・名古屋間を阪和線、紀勢本線、関西本線経由で紀伊半島を一周するルートで運行を開始しました。
▼運行開始時にはキハ80系が充当され、当時の一等車が3両も連結され、食堂車も連結されていました。
▼1978年10月に紀勢本線和歌山から新宮間で電化が完成し、天王寺・名古屋間を直通していた「くろしお」は天王寺-白浜・新宮間のエル特急「くろしお」となり、381系が充当されました。
▼名古屋・紀伊勝浦間には気動車特急の「南紀」が新設されました。
▼民営化されたJRでは、1989年7月にグリーン車をパノラマ型に改造された「スーパーくろしお」が4往復運転を開始、その他の16往復は「くろしお」として運行されました。
▼1996年7月には、283系が導入され、「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」として3往復が運行を開始しました。

▼2012年3月には、「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」の名称が廃止され、すべての特急が「くろしお」に統一されました。また、一部の「くろしお」に287系が導入されました。

▼同年6月にはアコモ編成の381系の営業運転が終了し、287系が追加投入されました。
▼2015年10月には、381系は683系2000番台を直流化改造した289系に置き換えられました。

▼2025年現在では、「くろしお」は287系及び289系が運用されており、2017年以降287系の3編成は「パンダくろしお」としてラッピング車両となっています。

▼今回の60周年記念ラッピング列車は、2025年7月5日から2026年2月28日まで、新大阪・新宮間で、287系(6両編成)の1号車と6号車に「スーパーくろしお」をイメージしたデザインのラッピングを施し、ヘッドマークも掲出します。
▼また、7月5日に日帰りで、往路を神戸⇒北方貨物線⇒新大阪・大阪⇒白浜、復路を白浜⇒天王寺で、60周年を記念した団体貸切列車が運行されます。
▼先日、白浜のアドベンチャーワールドから、現在飼育しているパンダ4頭をすべて、2025年6月末ごろには中国に返還することが決まったと発表がありました。
▼特急「くろしお」のうち3編成は「パンダくろしお」のラッピングを施しており、これらのラッピング車両は今後どうなるのでしょうか?
▼せっかくの60周年記念に水を差す出来事もあり、「くろしお」の行く末が気になる今日この頃です。
南海特急サザン10000系を復刻運行。デビュー40周年、創業140周年記念として。
▼特急サザン1編成を1992年以前の濃淡グリーンのツートンカラーの塗装に復元して、6月4日から新型車両の導入まで運転すると、南海電鉄が5月12日に発表しました。
https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/250512.pdf
▼これは、10000系が運行開始40周年を迎えることや、南海電鉄が創業140周年を迎えることを記念して復刻塗装することとなりました。

▼南海電鉄の10000系は1985年から1992年にかけて導入された車両で、特急サザンの運行に合せて製造されました。
▼車体は普通鋼で、普通車の7000系、7100系と併結運転するため前面は貫通型となっています。
▼最高運転速度、設計最高速は110km/H、制御方式は超多段式バージニア抵抗制御、制動装置は発電ブレーキ併用の電磁直通ブレーキを採用しています。
▼デビュー当時は、南海の代表的なカラーリングである濃淡グリーンのツートンカラーで塗装されていましたが、1992年にブルーとオレンジのラインカラーのカラーリングに変更されました。

▼6月からの運転に先立ち、5月31日(土)に千代田工場で復刻塗装の車両撮影会が午前午後の2回開催されます。さらに、復刻塗装の10000系をデザインしたトートバッグなどのグッズが5月20日(火)からオンラインショップで発売されます。
▼10000系と併結される7100系はすでに2024年8月21日から濃淡グリーンのツートンカラーで運行されており、今回の塗装により10000系と7100系の8両すべてが復刻塗装で揃うこととなります。
▼なお、この復刻塗装は約10年前の2015年の創業130周年記念の際にも実施されました。
▼南海電鉄では、2025年3月31日にグループの中期経営計画を発表しており、その中で、2027年度末から特急サザンを新型車両に更新し40両導入するとしており、10000系が更新対象になっているとみられます。
▼なので、今回の復刻塗装は2027年度末まで見られるものと思われます。10000系もあと3年後には徐々に姿を消すこととなります。(2025.5.13)
いよいよ2025年6月末で311系が引退。
▼東海道本線の311系がいよいよ2025年6月末をもって引退すると,JR東海が発表しました。
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000044288.pdf
▼311系は、1989年7月にJR東海線区で新快速、快速用にデビューし、4両編成15本(60両)が製造されました。

▼車体は軽量ステンレス鋼を採用、先頭部のみ繊維強化プラスティック(FRP)製を採用し、大型の曲面ガラスを使用しています。
▼最高速度及び設計最高速度は120km/Hで、円錐積層ゴム式ボルスタレス台車を採用、制御方式は直並列組合せ抵抗制御界磁添加励磁制御方式で、制動装置は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキになっています。
▼311系は211系、213系と同様、315系の投入により置き換えられる予定で、311系はすでに廃車された編成が発生しています。
▼今回、JR東海では、311系の引退にあたり、5月30日から6月30日まで、311系4両編成の2本に社員がデザインしたヘッドマークを列車の前後に掲出するほか、デビュー当時のJR ロゴの復刻を先頭及び最後部車両の側面に装飾します。
▼また、伊吹山の麓、雪や桜など四季折々の景色、普段の名古屋駅などの走行風景、乗客からのメッセージを添える形で車内吊りポスターを制作・掲出します。
▼さらに、7月12日(土)には、廃車回送ツアーを開催します。コースは、名古屋駅から大垣車両区に入区。稲沢貨物線を走行して、かつてのカートレイン名古屋の発着番線で現在は熱田駅下り3番線に停車し、イベントを実施します。
▼この後廃車車両留置場所に向かい気笛を鳴らしパンタグラフを下げます。廃車留置場所からは別の回送列車で浜松駅に向かうという行程です。
▼当日は社員が手作りした311系デザインの電車カードを配布する予定となっています。
▼JRになってからの新造車両で新快速として颯爽と走っていた311系がついに引退するとは、なかなか感慨深いものがありますね。(2025.5.12)