2025年6月

阪神

阪神優等列車の「赤胴車」の復活のわけ

▼阪神の赤胴車は特急や急行などの優等列車用の車両のカラーリングです。1958年の3301形・3501形で初めてクリーム色とバーミリオンのツートンカラーが採用されました。

▼当時のテレビドラマの赤胴鈴之助にちなんで「赤胴車」と呼ばれるようになりました。以来1995年に製造された8000系まで採用されてきました。

2014年当時の赤胴車@淀川駅

▼ところが1995年1月に発災した阪神・淡路大震災で阪神の車両は多くが被災し、1996年に新たに製造された9000系はステンレス車体を採用し、赤帯を採用して、赤胴車の伝統は途絶えました。

▼その後、9000系は2009年の近鉄奈良線との直通乗り入れで、カラーリングを1000系と同様にオレンジの帯に変えられました。

オレンジ帯の9000系@野田駅

▼2001年に導入された9300系は8000系と同様のツートンになりましたが、カラーリングは上下が逆となり、下部がシルキーベージュ、上部がプレストオレンジに変更されました。

カラーリング変更後の8000系@淀川駅

▼このカラーリングについて、2017年の阪急阪神ホールディングスの株主総会で、株主から車体のオレンジが阪神タイガースのライバル読売ジャイアンツのカラーを連想されると指摘され、変更するように要望が出ました。

▼さすが、虎キチが多い地元だけあって、株主総会で車両のカラーリングについて、ライバル球団のカラーを連想させるとの指摘が出るところはすごいです。

▼しかし、その時には会社側はカラーリングについての意見はこれまでもあったが変更はしないと回答していました。

▼8000系のリニューアルなどにより2015年5月までに赤胴車はなくなり、唯一武庫川線で4編成が残っていましたが、老朽化やバリアフリー化のために、2020年に5500系に置き換えられました。

7890形赤胴車@武庫川駅

▼ところが、創業120周年記念施策の一環として、2025年5月から8215編成を皮切りに8000系全編成(19編成)を3、4年かけて赤胴車に戻すと発表が行われました。

https://www.hanshin.co.jp/press/docs/20250310-toshikotsu-singatasyaryo2.pdf

▼また、2027年春に座席指定サービスにも対応した新型急行車両3000系を導入することを合わせて発表し、車体のカラーリングも赤胴車を引き継ぐ「リ・バーミリオン」とすることとなりました。

▼紆余曲折はありましたが、やはり阪神の優等列車のカラーリングは赤胴車が似合うということで、元の鞘に戻りました。(2025.6.17)

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近鉄

近鉄の「青色」の新型一般車両のデビューが正式に発表となりました。

▼近鉄の新型一般車両のうち、大阪線・名古屋線・山田線・鳥羽線(大阪線・名古屋線系統)、南大阪線・長野線・御所線・吉野線(南大阪線系統)で運行される車両のデビュー時期及びカラーリングが正式に発表となりました。

https://files.microcms-assets.io/assets/f76cb3f097104533921f6d6262a336ee/ed86364ee0d94d10ad3687f45f012d96/20260612rw.pdf

▼近鉄のニュースリリースによると、大阪線・名古屋線系統では2026年1月から、南大阪線系統では2026年5月から新型一般車両が運行されることが決定したとのことです。

▼大阪線・名古屋線系統のカラーリングはこれまでの近鉄の伝統的な「赤色」から新たな「青色」となります。なお、南大阪線系統ではすでに運行されている奈良線・京都線系統と同様の「赤色」となるようです。

青色の近鉄新型一般車両(近鉄HPより)

▼また、大阪線・名古屋線系統、南大阪線系統でも、8A系と同様、「やさしば」、L/Cシートが設置されます。

▼さらに、大阪線・名古屋線系統では、長時間の運行になるため多目的トイレが設置されます。なお、今後導入される奈良線・京都線系統の8A系統、南大阪線系統の車両にもトイレが新設されるとのことです。

多目的トイレ(近鉄HPより)

▼奈良線・京都線系統、南大阪線系統の一般車両へのトイレ設置は近鉄では初めてだそうだそうです。

▼今回の発表では、大阪線・山田線・鳥羽線の車両は1A系、名古屋線・山田線・鳥羽線の車両は2025年度導入分が1A系統、2026年度分が1B系となり、南大阪線系統の車両は6A系となります。

▼今後の導入予定では、2026年1月に大阪線・山田線・鳥羽線の車両は4両編成×2本、名古屋線・山田線・鳥羽線の車両は4両編成×3本、2026年度に同線車両は3両編成×3本、2026年5月に南大阪線系統の車両が4両編成×3本、2027年度に同線車両が4両編成×2本となっています。

▼奈良線・京都線系統では、2025年度に4両編成×9本、2026年度に4両編成×4本、2027年度に4両編成×5本が導入予定です。これで、2025年度以降の新型一般車両の導入は合計で121両となります。

8A系@高の原駅

▼これで、やっと噂の「青色」の新型一般車両が公になりました。それにしても、近鉄で青色のカラーリングが見られるようになるなんて、本当に楽しみです。

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鉄道コム

JR東日本, JR西日本

JR東日本の新たな夜行特急列車って、WEST EXPRESS 銀河のパクリ!?

▼JR東日本が新たな夜行特急列車を導入すると、6月11日に発表しました。

https://www.jreast.co.jp/press/2025/20250610_ho03.pdf

▼その概要は、「移動を楽しく、快適・便利に」の実現に向け、乗ること自体も目的となるような新たな夜行特急列車を2027年春に導入するとのこと。

▼そのため、E657系特急型車両1編成を全席グリーン車個室タイプの座席に改造します。

▼夜行列車による非日常の旅体験を通じ、鉄道旅のワクワク感を想起させるとともに、運行を通じてJR東日本エリアの豊かな自然や文化を国内外に発信し、観光の活性化を目指すとしています。

▼改造する車両のエクステリヤデザインは青を基調としており、かつてのブルートレインの記憶を受け継ぐ明るい青の「メモリアルブルー」を1号車側に、濃紺の「ミッドナイトホライズン」を10号車側に配しています。

▼車両編成としては、1号車・10号車がブレミアムグリーン、2・3・4・6・7・8・9号車がグリーン、5号車がラウンジ・販売スペースとしています。

▼インテリアデザインは、プライベートスペースを確保するため、全席グリーン車指定席の個室とし、両端の先頭車両は1人・2人用のプレミアムグリーン個室を設置します。

▼グリーン個室は1人・2人用のほか、4人用も用意されます。プレミアムグリーンもグリーンも、座席からフルフラットのベッドスタイルに変更することができます。

▼オープンスペースとしてラウンジを設置し、販売スペースも併設することとしています。

▼ここまで読んでみて、ピンときた方は多いのではないでしょうか。そう、この列車のコンセプトってJR西日本のWEST EXPRESS 銀河とそっくりではないかと。

WEST EXPRESS 銀河@京都鉄道博物館

▼JR西日本が117系を改造、JR東日本の新型特急はE657系を改造するところは、既存の車両を再利用するところが酷似しています。

▼クルージング型の特急列車としては、JR西日本にはTWILIGHT EXPRESS 瑞風があり、JR東日本にはTRAIN SUITE 四季島がありますが、それよりはカジュアルに乗車できる列車として、WEST EXPRESS 銀河と今回の新型特急はそっくりです。

▼銀河には、普通席、グリーン個室、ノビノビ座席、コンパートメントシート、女性席など多様なニーズに応えようとしていますが、JR東日本の新型特急は、プレミアムグリーンとグリーンの2種類、1人、2人、4人の3種類しか選択肢がありません。ここは、両者の異なる所でしょうか。

WEST EXPRESS銀河(普通座席)

▼運行エリアも、銀河が関西圏からJR西日本エリアの各地へ運行されており、JR東日本の新型特急も首都圏から北東北エリアへの運行を予定しており、この点も似ています。

▼運行エリア、ダイヤ、利用料金、列車愛称などは未定で、今後の発表を待たないといけません。

▼JR西日本のWEST EXPRESS銀河に遅れ8年、やっとJR東日本でもカジュアルに乗れる夜行特急列車が誕生することとなりました。(2025.6.11)

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