近鉄

11年間続いた近鉄5800系のデボ1形ラッピング車がもとに戻りました。

▼近鉄の5800系のうち5802Fは2014年4月から奈良線100周年記念事業の一環として、近鉄の前身の大阪電気軌道デボ1形の塗装を施したラッピング車として運転されてきました。

5800系(デボ1形塗装)@鶴橋駅

▼大阪電気軌道は1914年に大阪上本町と奈良間で開業しましたが、その時に製造されたのがデボ1形でした。

▼車体は二重屋根構造、1段下降窓の曲面を取り入れた木造車両です。主電動機は生駒越えの急勾配に対応するためゼネラル・エレクトリック(GE)社製の大出力モーターを装備し、主制御器は同じくGE社製のMK電磁スイッチ式制御器を搭載していました。

▼台車はアメリカのボールドウィン社製の平鋼組立釣り合い梁式台車で、当時の関西私鉄では初めてのことでした。

▼1964年に奈良線の建築限界拡幅と新生駒トンネルへの切り替えに伴い廃車となり、現在、五位堂検修車庫に保存されています。

デボ1形@五位堂検修車庫

▼近鉄では、2014年4月30日に奈良線が開業100周年を迎えるにあたり、同年4月29日から開業時のデボ1形の塗装を施したヒストリートレインの運行を開始しました。

5800系(デボ1形塗装)@きんてつ鉄道まつり2015

▼ヒストリートレインは2024年4月29日に大阪上本町駅で出発式が開催され、車両撮影会ツアーも行われました。また、2024年秋に開催された「きんてつ鉄道まつり」でも展示されました。

5800系(デボ1形塗装)@きんてつ鉄道まつり2014

▼それから、11年間もこのデボ1形の塗装は続き、2025年2月に通常のカラーリングに戻りました。当初はこれほど長くデボ1形の塗装が続くとは思わなかったのですが、通常の塗装に戻ったことを知って、ちょっと寂しくなりました。(2025.6.19)

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道乗車記録へ

鉄道コム