2025年5月

JR西日本

トワイライトエクスプレス瑞風に琵琶湖を巡る新コースが誕生。

▼クルーズ型観光列車「トワイライトエクスプレス瑞風」に琵琶湖を巡る新コースが誕生すると、JR西日本が5月30日に発表しました。

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250530_00_press_TWILIGHTEXPRESSMixukaze_Biwakonewcourse.pdf

▼トワイライトエクスプレス瑞風は2025年6月に運行8周年を迎えますが、コースの見直しを行い、2026年春から新たに琵琶湖を一周するコースを付け加えることとなりました。

トワイライトエクスプレス瑞風@新大阪

▼瑞風は京都・下関発着として、山陽・山陰を潜る5つのコースが用意されていますが、そのうち2つのコースについて、琵琶湖周遊コースが加わることとなります。

▼そのうちの1つは、「びわ湖周遊・せとうちコース(下り)」で、京都を出発して湖西線・北陸線経由で琵琶湖を周遊し、長浜市を観光。その後、東海道・山陽本線を経由し、せとうちエリアを巡り、岩国市を観光し下関に到着するコースです。

▼もう1つのコースは、「びわ湖周遊・せとうちコース(上り)」で、下関を出発して防府市を観光。その後、山陽・東海道本線を経由しせとうちエリアを巡り、近江八幡市を観光。その後、東海道・北陸本線・湖西線経由で琵琶湖を周遊し、京都に到着するコースです。

▼下りコースでは、長浜市の「渡岸寺観音堂」で国宝「十一面観音立像」、「赤後寺」で「木造千手観音立像」を見学します。

▼上りコースでは、近江八幡市の滋賀県指定有形文化財の「ヴォーリズ記念館」、国の有形登録文化財の「ハイド記念館」を見学します。

▼上りコースでは、近江八幡の町並みを散策するか、スイーツを堪能できる「ラ・コリーナ近江八幡」を訪問するかを選択できます。

ラ コリーナ近江八幡

▼今回のコース見直しにより、尾道市、岡山市の立ち寄り観光は終了することとなります。

▼車内で提供される料理について、滋賀県から初選出となる長浜市のイタリアン「ビワコラージュ」が「食の匠」に決まりました。

▼車内を彩る伝統工芸品についても、近江八景「堅田の落雁」で有名な「浮御堂」の古材で作られた「浮御堂波蒔絵香合」、琵琶湖真珠が飾られた卯山窯の陶板、膳所焼の「鮟鱇茶入(あんこうちゃいれ)」、湖東焼の「染付山水絵細水指(そめつけさんすいえほそみずさし)」などが展示されます。

▼運行開始8年を経て、今回は山陽エリアを巡るコースについて、コースの見直しが行われました。

▼琵琶湖を巡るコースは、特に湖西線で見ることができる琵琶湖の美しさが魅力的だと思います。

観光列車でビワイチを体験できるのはなかなか面白い試みではありますね。

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JR西日本

デビュー10周年を記念して、227系が京都鉄道博物館で展示。

▼京都鉄道博物館では、JR西日本の広島地区などを中心に運転されている227系がデビュー10周年を迎えるとともに、広島駅新駅ビル(minamoa)開業を記念して、227系の特別展示を行うと5月26日に発表しました。

https://www.kyotorailwaymuseum.jp/news/sysimg/01611/link_Dieys.pdf

▼227系はJR西日本の広島地区の113系、115系の置き換えを目的として、京阪神地区で運用されている225系をベースに短編成が可能な車両として開発されました。

▼2015年から広島シティネットワークの山陽本線で投入が始まり、「Red Wing」という愛称が付けられました。

227系@広島駅

▼2019年からは和歌山線・桜井線、紀勢本線で運行を開始し、2023年からは岡山・備後地区で「Urara(うらら)」という愛称が付けられ運用を開始しました。

▼最高速度は110km/H、設計最高速度は120km/H、車体は前頭部の普通鋼部分を除きステンレス、制御方式はVVVFインバータ制御で、ブレーキは電気指令式、抑速、耐雪、駐車ブレーキ付きとなっています。

▼1両において動力台車と付随台車を1台ずつ配置し、運転に必要な機器類をすべて1両に搭載する「0.5Mシステム」という考えのもと、すべての車両が電動車となっています。

▼2015年度のグッドデザイン賞を受賞しています。

▼今回、京都鉄道博物館での特別展示は、227系0番台2両(クモハ227形74号車・クモハ226形74号車・S10編成)が6月19日から22日までの期間で、本館1階「車両のしくみ/車両工場」エリアで展示され、車内も公開されます。

▼このS10編成はデビュー10周年を記念したラッピングが行われ、2026年2月ごろまで広島エリアで運転されます。

▼このほか、運転台見学付きの入館券の発売、検修社員による有料解説ツアー、227系を含むJRシティネットワーク広島のブランディングを担当したGKデザイン総研広島の展示コーナーの設置、デビュー10周年記念グッズの販売なども予定されています。

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JR東海

新幹線岐阜羽島駅誕生の秘密。駅設置にまつわる逸話。不釣り合いな2面4線の島ホームはなぜ設置されたのか。

▼岐阜羽島駅は、岐阜県羽島市福寿町平方にあります。東西を木曽川と長良川にはさまれています。

▼今でこそ、名鉄羽島線が接続していますが、1964年の開業当初は、周りは田んぼばかりでありました。

▼1980年にひかりの一部が停車。1996年にひかりが1時間に1本停車。現在、1時間にひかりとこだまが1本ずつ停車しています。

▼1日の平均乗車人員は、2018年で2955人。(岐阜県統計書による)

▼駅の構造は2面4線のホームを有する高架駅で、ホームに接しない2線が本線として敷かれています。

▼通常は、上り1番線、下り2番線のみを使用。上り0番線、下り3番線は使いません。

▼1982年に名鉄羽島線が開業。新羽島駅が接続されました。

▼名鉄羽島線は笠松まで、毎時4本の列車が運転されています。

▼笠松までの運転で、名古屋や岐阜へ出るには、笠松で乗り換えが必要です。

▼駅前広場には、地元の政治家、大野伴睦夫妻の銅像が建っています。

▼大野伴睦議員は、岐阜羽島駅の設置の立役者。我田引水の例として、岐阜羽島駅は政治駅の代名詞となっています。

▼岐阜羽島駅は、大野伴睦が政治力にものを言わせて、田んぼの真ん中に駅を造らせたと言われているが、事実はちょっと違うようです。

▼東海道新幹線は、当初、旧東海道ルートが有力でしたが、鈴鹿山脈を越えるには、難工事が予想され、技術的障害、多額の建設費用、北陸方面への連絡に難があり、東京オリンピック開幕までに開通させるという工期の問題もありました。

▼そこで、地質的には鈴鹿山脈越えと変わらないが、トンネルが比較的に少なくてすむということ、北陸方面との連絡が便利なので、現在のルートに決定しました。

▼現在のルートに決定したことで、当時の国鉄は、岐阜県内に駅を設置する必要性は認識していました。

▼米原から名古屋まではできるだけ直線ルートにしたかったが、岐阜市や大垣市が駅の誘致運動を展開したため、地元の大物政治家である大野伴睦に斡旋を依頼しました。

▼あえて、県内への駅の設置は伏せ、大野の顔を立て、県内に駅を作るなら地元を説得しようと言わせました。

▼新幹線の路線を岐阜市などの北側に大きく迂回させたくない国鉄は、羽島市内に駅を設置するという妥協案を成立させるというのが用意された筋書きでありました。

▼有力政治家に影響で設置された駅と言われてきたが、大野は新幹線は国家的プロジェクトであり、岐阜県の都合だけで左右することはできないと述べています。

▼大野としては、駅名に岐阜を入れてほしいと言ったようですが、羽島駅では、同名の駅が岡山県内にあったため、岐阜羽島になったとのことです。

▼次に、中間駅であるこの駅が2面4線、本線2線もある規模の大きな駅になったのはなぜなのかについて考えてみたいと思います。

▼現在のルートは関が原を通過します。この付近は冬には多くの積雪があります。

新幹線から見た関が原付近の雪

▼現在のルートは豪雪地帯の関が原を通過するため、除雪車の待機基地を設置できる駅として、羽島が候補にあがりました。

▼大垣市では、市街地に近いため、除雪車を待機させるだけの用地が用意できないとも考えられていました。

▼岐阜羽島駅誕生の経緯。なかなか興味深いものがありました。田んぼの真ん中に設置された駅。

▼その駅の誕生には秘められた様々な逸話がありました。

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