▼雑誌「鉄道ジャーナル」が2025年4月21日発売の6月号をもって休刊するそうです。
▼休刊については、1月21日発売の3月号の誌面表紙裏で発表されました。
▼「鉄道ジャーナル」は、1967年に創刊され、「鉄道の将来を考える専門情報誌」を標榜し、交通政策を含めた社会情勢、経済的・政治的な視点からも鉄道を考える記事で構成されています。
▼読者層は鉄道ファンのみならず、鉄道業界のプロも多く含まれ、技術的な記事、航空機、バスなど鉄道以外の公共交通機関に関する質の高い記事などが評価されてきました。
▼創刊以来鉄道ジャーナル社が編集・発行・発売を行っていたが、2010年3月号から発売業務を成美堂出版へ移行しました。
▼公式発表によると、休刊の理由として、「近年の雑誌出版をめぐる環境および本誌を取り巻く諸般の事情に鑑み、雑誌制作・発行を取りやめ、休刊とすることとなった」としています。
▼また、「以後、WEB版移行、リニューアルなどによる発行再開の予定はない」とのこと。
▼鉄道ライターの鉄道乗蔵さんの記事によると、鉄道ジャーナルの宮原正和編集長は「雑誌の休刊というと、売れ行き不振を理由に挙げることが多いですが、鉄道ジャーナルに関してはそういったことではなく、端的に説明することは難しいと感じています」とのこと。
▼また、「近年の鉄道ジャーナルは、ほかの媒体ではなかなか扱わないようなテーマや、ほかでは読めないような記事を載せていきたいと考えてきたのですが、伝統的な鉄道記事を愛する読者が想像以上に多かったということかもしれません」とも語っています。
▼鉄道ファンの雑誌としては、鉄道ジャーナルのほかには、「鉄道ファン」がありますが、こちらは1961年に創刊され、鉄道に関する知識や情報を広く提供し、鉄道愛好家のコミュニケーションを形成することを目的としています。
▼「鉄道ファン」は「JR車両ファイル」、「新車ガイド」、カレンダーや新車写真の付録などに特色があります。
▼鉄道愛好家向けの二大雑誌である「鉄道ジャーナル」と「鉄道ファン」はそれぞれに特色をもって、互いに補完しえる関係があったように思えます。
▼その一方の「鉄道ジャーナル」が休刊とはちょっとショックです。
1975年の新幹線博多開業直前くらいから
5年ほどほぼ毎月購読していました。
難解なピクトリアルと趣味性の強いファンの
まん中あたりの立ち位置で、
おねだんも手ごろでちょうどいい感じでした。
当時は鉄道関係の書籍はほとんど書店に並んでおらず、
鉄道3誌は貴重な情報源でした。
そのひとつの鉄道ジャーナルが、
鉄道関係書籍が花盛りの今日に休刊になるとは、
やはり趣味誌とは一線を画してジャーナリズムの追求を志そうとした路線が
結果的に市場に受け入れられなかったということではないかと思います。
ま、個人的には、
「竹島紀元編集長とレイルウェイ・ライター種村直樹氏の鉄道ジャーナル」
という感じだったので、
人が替わって結局フェードアウトしていくこと自体に
さほど違和感はないのですが、
それでもやっぱりこの件をネットで見たときにはかなりショックだったし、
ちょっぴり残念ではあります。
まぁ、でも、最近全然買ってなかったしねぇ…(^^;。
SNS隆盛の時代、最近は紙媒体が衰退するばかりです。
社会性のある論評を中心にした質の高い鉄道雑誌の存続は
なかなか難しい時代です。
写真撮影を目的とした一部の鉄道ファンの無作法が
最近は目に余るようになってきた昨今、冷静な目で
鉄道を語る雑誌が消えていくことはさみしい限りです。
とはいえ、鉄道雑誌は立ち読みするくらいで買っていないので、
偉そうなことは言えません・・・