▼2025年4月1日に泉北高速鉄道は、南海電気鉄道に吸収合併されることになり、南海泉北線となります。

泉北高速3000系改@難波駅

▼2024年9月30日に、南海電気鉄道は、完全子会社である泉北高速鉄道を吸収合併すると発表しました。これにより、泉北高速鉄道がなくなることになりました。

https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/240930_1.pdf

▼泉北高速鉄道は、泉北ニュータウンなどへのアクセス路線として、南海電鉄が直接経営することが検討されていましたが、1970年代当時、南海電鉄は重大な事故を頻発させて、多額の投資を必要とする新線建設は難しかったのです。

▼そこで、大阪府が物流拠点の運営のために設立した第三セクターである大阪府都市開発が経営することとなりました。

▼1971年の開業時は全業務を南海電鉄に委託していましたが、段階的に直営化を進め、1993年4月に全業務を直営化しました。

▼2008年から大阪府都市開発の株式を売却する動きが出てきました。2010年9月大阪府は大阪府都市開発の民営化を決定しました。

▼2013年6月、大阪府が保有する株式一括売却の公募を発表。

▼2013年11月、アメリカの投資ファンドが優先権を獲得し、売却されることとなりました。

▼しかし、売却先が外資系企業であること、沿線住民や沿線自治体の議会から異論が出たこと、沿線の三大学が運賃や通学定期券の割高感に不満をもって値下げを求める要望書を大阪府知事あてに提出したことにより、2013年12月の大阪府議会では株式売却議案が否決されました。

▼2014年2月の府議会で、株式の売却を随意契約で南海電鉄等に売却する方針を表明し、2014年6月売払いに関する議案が可決され、同年7月に全株式が譲渡され、泉北高速鉄道株式会社と社名を変更するとともに、南海グループの一員となりました。

▼その後、南海電鉄は2022年4月に泉北高速鉄道の株式をすべて取得し、完全子会社化を図りました。

▼さらに、南海電鉄では、人口減少やコロナ禍以降の生活様式の変化、人材確保が困難になる中で、泉北高速鉄道との経営統合により、グループ経営の効率化を通じて、サステナブルな公共交通の経営の実現、競争力のある流通センターの確立に向けて経営資源を投入していく事業体制が最善だと判断して、今回の吸収合併となりました。

泉北高速7000系@難波駅

▼非常に複雑な経緯を経て泉北高速鉄道は、今回南海電鉄に吸収合併されますが、利用者としては、メリットもあります。

▼別会社であったときには、南海高野線と泉北高速線の両線にまたがると運賃がそれぞれ加算され割高感がありましたが、今後は南海電鉄の運賃表を適用することになり、運賃の値下げとなります。

▼経営統合により、4月1日には運賃値下げや通勤・通学定期の値下げが実施されることとなりました。

▼そもそも、泉北高速線が発足する際に南海電鉄が手掛けることになっていましたが、様々な要因で別会社が役割を担い、ようやく元の鞘に収まったということでしょうか。(2025.3.24)

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道乗車記録へ

鉄道コム

「4月1日に泉北高速鉄道が消滅、南海電気鉄道泉北線に」への1件のフィードバック

  1. 利用者目線からすれば、やはり、
    経営が一本化されるのは望ましいことだと思います。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール