2024年6月

JR西日本

381系での特急「やくも」が6月14日定期運行を終了

▼381系での特急「やくも」が定期運行が2024年6月14日で終了します。

381系「こうのとり」@福知山駅

▼381系は国鉄が開発した直流特急形電車で、日本初の車体傾斜式(自然振子式)車両でした。

▼1973年7月から中央西線・篠ノ井線の特急「しなの」で運用され、その後、1978年に阪和線・紀勢本線の特急「くろしお」に運用されました。

▼1982年7月からは、伯備線の特急「やくも」にも運用されました。

381系「やくも」@岡山駅

▼381系の誕生するきかっけとなったのは、1973年7月に中央西線・篠ノ井線の名古屋・長野間の直流電化・新線切替などで特急列車の運転が主体となることからです。

▼名古屋・長野間では、曲線区間が多く、うち半径600m以下の曲線が全体の23.8%を占めるため、これまでの気動車のキハ181系から代替される181系電車では所要時間の短縮があまりないため、カーブにでも速度を落とさず走ることができ、所要時間の短縮が図られる列車が開発されました。

▼しかしながら。自然振子式は、不自然な揺れが生じるため、乗り物酔いを訴える乗客が増えたことや、パンタグラフが傾くため、通常の架線の張り方とは変えないといけないなどのデメリットがあるため、JR移行後は、制御付き自動振子式や空気ばねによる車体傾斜方式を採用する車両の導入が進められました。

▼JR東海の381系は、2008年5月をもって運用を終了。JR西日本「くろしお」の381系は、2015年10月をもって運用を終了しました。

▼381系は唯一伯備線で「やくも」として運用されていましたが、新型の273系が2024年4月から運用され、この6月14日ですべての運用を終了することとなりました。

273系「やくも」 Wikipediaから

▼国鉄型の車両がまた1つ消えていきます。

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JR東海, JR西日本

北陸新幹線の金沢・敦賀間延伸開業によるデメリット【関西・中京圏からの乗客が減少】

▼2024年3月16日に、北陸新幹線の金沢・敦賀間が延伸開業しました。これにより、北陸圏と首都圏とは一本でつながりました。

▼一方で、関西圏から北陸圏へは在来線と新幹線の乗り継ぎが必要となりました。

北陸新幹線@敦賀駅

▼また、中京圏から北陸圏へは、これまでも、新幹線と在来線の乗り継ぎが必要であり、影響はないとみられていましたが、かなりの影響が出ているようです。

▼今回はこれについてみていきたいと思います。

▼まず、関西圏から北陸圏へは、北陸新幹線の延伸開業までは、在来線の特急「サンダーバード」一本で行くことができました。

サンダーバード@大阪駅

▼しかし、北陸新幹線の延伸開業で、敦賀までは在来線特急、その先は北陸新幹線に乗り換える必要が出てきました。

敦賀駅の乗り換え口

▼敦賀でサンダーバードから北陸新幹線に乗り換えるには、1階の在来線ホームから2階の乗り換え改札を通って、さらに3階の新幹線ホームに移動することになり、どう考えても乗り換えに10分以上はかかります。

乗換口への エスカレータ

▼大阪・金沢間では、最速所要時間が22分の短縮となりますが、それほど大きな短縮とはいえません。

▼さらに、利用料金も通常期で、大阪から金沢まで在来線と新幹線を乗り継ぎ、普通車指定席で乗車すると、乗車券が4,840円、指定席特急券が4,570円、合計9,410円となります。

▼一方、以前の在来線一本で大阪から金沢まで行くと、7,790円であり、その差額は1,620円も割高になります。

▼また、中京圏から北陸圏へは、在来線特急「しらさぎ」一本で行けました。名古屋・金沢間では、所要時間は16分の短縮となりますが、途中の福井、芦原温泉、加賀温泉、小松では10分以内の短縮にしかなりません。

しらさぎ@米原駅

▼通常期の利用料金では、名古屋・金沢間まで在来線・北陸新幹線を乗り継ぎ、普通車指定席で乗車すると、乗車券が4,510円、指定席特急券が4,370円、合計8,880円となります。

▼さらに、通常期の利用料金では、名古屋・金沢間まで東海道新幹線・在来線・北陸新幹線を乗り継ぎ、普通車指定席で乗車すると、乗車券が4,510円、指定席特急券が5,470円、合計9,980円となります。

▼一方、以前の在来線一本で名古屋から金沢まで行くと、7,460円であり、その差額は2,520円も割高になります。

▼JR西日本の2024年5月7日付けのニュースリリースによると、ゴールデンウィーク期間の北陸線の「しらさぎ」の利用状況は、米原・敦賀間で下りが前年度比49%、上りが同53%となっています。

▼同じく湖西線の「サンダーバード」の利用状況は、京都・敦賀間で下りが前年度比90%、上りが同91%となっています。

▼北陸新幹線の延伸開業による影響はゴールデンウィーク期間の利用状況で顕著に表れています。関西圏、中京圏からの利用者は減っています。とくに、中京圏からの利用の減少が激しくなっています。

しらさぎ@敦賀駅

▼「しらさぎ」の利用状況はかなり減少していますが、これは首都圏から東海道新幹線経由で北陸へ向かう乗客が北陸新幹線での利用に変わったことも大きな要因ではあるでしょう。

▼では、中京圏からの利用者が本当に減っているのかというと、JR利用は減っていますが、それに代わってバスの移動が増えているとみられています。

▼たとえば、JR名古屋駅前から金沢駅前行きの名鉄バスでは、時期により、最低3,600円から最高5,500円まで設定されています。所要時間は少々多くかかりますが、運賃はJRに比べると非常に安価で行けます。

名古屋駅新幹線口のバスターミナル

▼今回の北陸新幹線の延伸開業では、首都圏から北陸圏へはアクセスが向上し、関西圏、中京圏からのアクセスは悪化しており、それに伴い鉄道の利用者数が減少するという結果が現れました。

▼これまで、関西圏、中京圏とのつながりが強かった北陸圏ですが、北陸新幹線延伸開業により、ますます首都圏との結びつきが強くなるでしょう。

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JR東海

大動脈東海道本線でもワンマン運転が・・・315系4両編成のワンマン運転の実施

▼JR東海では、今後315系4両編成でのワンマン運転を実施すると、6月6日に発表しました。

https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000043615.pdf

▼JR東海では、2023年6月から315系4両編成で車側カメラを設置し、様々な条件で撮影したデータをAIに学習させ、画像認識技術の検証、検知精度の向上を行ってきました。

▼その結果、列車に近づく人間の検知が可能なことが確認できたので、今後、車側カメラを用いたワンマン運転を実施することとなったようです。

▼ワンマン運転では、運転士が車側カメラからのホームの映像をモニターで確認してドアの扱いを行うこととします。

▼ドアが閉まってから列車に人間が接近したときには、自動で検知して、警報音などで運転士に通知し、列車を停止させます。

▼現在は、2両編成での列車で、直接またはミラーで乗降を確認していますが、今後は車側カメラからの映像でホーム上の安全を確認するようになります。

▼ワンマン運転の実施計画では、2025年度中にローカル線区の関西本線、武豊線で実施。2026年度以降に、東海道本線、御殿場線でも実施する計画です。

▼大動脈である東海道本線でも、三島・沼津間、浜松・豊橋間、大垣・米原間で実施するとのことで、これはかなり驚きです。

▼東海道本線といっても、この区間はローカル線区扱いということなんでしょう。鉄道業界での人手不足も相まって、すさまじい業務改善ではあります。

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