▼網干総合車両所本所に所属していた221系(B15編成)が3月11日に吹田総合車両所奈良支所に回送されたそうです。

▼これに先立つ3月4日には、B14編成が吹田総合車両所奈良支所に回送され、これで、網干総合車両所所属の221系はすべて転属されました。

▼221系はJR西日本が1989年に初めて設計・製造を行った車両で、他のJR各社が特急型車両を新造するなかで、JR西日本だけが一般型車両を新造させるということで、その意気込みが伺えました。

221系(JR神戸線)@大阪駅

▼この221系は、東海道・山陽本線の新快速、快速用車両として開発された直流近郊型電車で、設計を担当した近畿車輛が、近鉄の5200系で採用した3ドア、転換クロスシート、ドア間の連窓構造などのデザインを盛り込んだ設計コンセプトを提案し採用されたものです。

▼1990年に第30回ローレル賞を受賞し、リニューアル時に2014年度グッドデザイン賞を受賞しています。

▼先頭車両の前頭部の形状は大型局面ガラスを使用し、後退角がついた流線形でユニークなデザインとなっています。

▼側面窓は天地方向に大幅に拡大され、高さは1メートルあります。各座席で景色が見ることができるよう座席1つに1枚の幅の狭い窓が連続で配置されました。

▼制御方式は界磁添加励磁制御で、回生ブレーキを常用する設計となっています。

▼1989年2月から3月にかけて、当時の網干電車区(現在の網干総合車両所本所)に1次車として54両、同年7月に2次車として46両、合計100両が配置されました。

▼1989年2月から7月にかけて1・2次車として、当時の奈良電車区(現在の吹田総合車両所奈良支所)に72両が配置されました。

221系8大和路線)@王寺駅

▼1990年度に網干電車区に3次車として98両、4次車として96両が配置され、計194両が配置されました。

▼また、奈良電車区には、6両編成化用としてモハ・サハユニットの6両が配置されました。

▼1991年には網干電車区に5次車が66両、1992年に6次車36両が配置され、この時点で396両が配置、大所帯となりました。

▼2010年代に入ると製造から四半世紀近くが経ち、老朽化が進んだため、順次体質改善が実施され、2012年度から2019年度までで完了しました。

▼この体質改善に対して、冒頭でも述べたように、2014年度にグッドデザイン賞を受賞し、一部の車両に記念プレートが掲示されています。

▼1989年からJR神戸線・京都線系統の新快速・快速列車として運用され、1991年に新快速の最高速度が120km/Hに引き上げられました。

221系(JR京都線)@島本駅

▼1995年から最高速度が130km/Hに対応する223系1000番台が導入され、1999年からは223系2000番台が増備されていきました。

▼2000年3月のダイヤ改正で、新快速の全列車が223系に統一され、余った221系は福知山線、阪和線に転用されました。

▼225系の導入により、網干総合車両所本所の221系は吹田総合車両所奈良支所に順次転属されていき、残った221系は細々と東海道本線、山陽本線、赤穂線などで快速(普通)として運用されてきました。

▼転属された網干総合車両所本所の221系は、福知山線、阪和線、紀勢本線のほか、大和路線、奈良線、おおさか東線、播但線、湖西線、草津線、山陰本線(嵯峨野線)で運用されています。

221系(奈良線)@京都駅

▼B14、B15編成は播但線で朝のラッシュ時運用されていた編成で、吹田総合車両所奈良支所への回送で、網干総合車両所本所の221系はすべてなくなりました。

▼網干総合車両所から姿を消したものの、吹田総合車両所奈良支所、同京都支所に所属して、まだまだ、主力車両として活躍をやめることはありません。(2025.3.15)

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「網干総合車両所所属の221系がすべて姿を消しました。最後の編成が奈良へ転属」への2件のフィードバック

  1. 221系は内外装デザインも接客設備も秀逸で
    名車と呼ぶにふさわしい車両だとは思いますが、
    編成両数を最小2両から柔軟に組むことができるという
    設計コンセプトにもかかわらず、
    117系の後継車であるがゆえに先頭車が非貫通構造なのは
    近郊型車両として致命的な欠点だとつくづく感じます。

  2. 国鉄にはないデザイン、柔軟な編成が可能な点が
    優れていますね。
    せっかく地下区間を走行する想定で
    前頭部に扉があるにもかかわらず、曲面のデザインを
    優先するため貫通できないのが欠点といえば欠点ですね。

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