▼3月16日のダイヤ改正で、関西と鳥取を結ぶスーパーはくとが全列車の京都発着をやめ、大部分が大阪発着になりました。
▼その訳について今回は考えてみたいと思います。
▼特急スーパーはくとは、関西と鳥取を結ぶ特急列車です。
▼1994年12月の智頭急行開業により、スーパーはくとは、京都・大阪から鳥取・倉吉間を東海道本線、山陽本線、智頭急行智頭線、因美線、山陰本線を経由して運行されてきました。
▼当初はキハ181系の「はくと」とHOT7000系の「スーパーはくと」の2種類の特急がありましたが、1997年11月にすべての列車が「スーパーはくと」に統一されました。
▼HOT7000系は最高速度130キロで「はまかぜ」、「うずしお」、「南風」、「しまんと」と並び我が国最速の気動車特急列車です。
▼運転当初は新大阪―鳥取・倉吉間で運転されていましたが、臨時列車として数本が京都発着となり、1996年3月から正式にすべての列車が京都発着となりました。
▼2024年3月16日のダイヤ改正で、上り(大阪・京都方面)が8本、下り(鳥取・倉吉方面)が8本となり、そのうち、上りの14号と16号のみが京都行きとなり、下りは1号と3号のみが京都発となりました。
▼上りの13号と下りの10号を臨時列車として1往復増発し、毎日8往復の運転となりました。
▼京都発着が減った理由としては、2023年7月に開催された「JR線・智頭急行線中部地区利用促進協議会」の総会において、智頭急行の西尾社長が「現在は全便京都発着になっているが、例えば大阪まで短縮することで往復数を増やすことなどを、JR内部で検討中と聞いている」と発言したことが明らかになっていました。
▼智頭急行ではコロナ禍の影響で利用が低迷し、3年連続赤字になりました。コロナ禍がようやく沈静化し、今後は利用促進を図るため、2023年度は金曜・土曜・日曜の臨時列車扱いの6号、9号の定期列車化や、鳥取県の補助金で列車への探偵コナンのラッピングを実施しました。
▼こうした動きの中で、京都発着の列車が減ったというわけです。
▼また、今回のダイヤ改正では、全車が指定席化となり、自由席は廃止されました。
▼さらに、姫路駅での新幹線との接続を見直すことで、首都圏と智頭急行線沿線との所要時間も大幅に短縮させました。
▼一方で、同業他社と比較して格安であった特急料金については、3期連続赤字が続いていることや、特急車両の老朽化が進み、近い将来の更新に備える意味で、特急料金を現行の530円から830円に大幅改定となりました。
▼智頭急行としては、コロナ禍で低迷した利用者数を回復させるためにも、様々な施策を講じているところであり、この施策が成功するかどうか、注意深くみていきたいと思います。
さすがに姫路まで新幹線が並走する特急に
京都から乗り通す人はそんなにいないでしょうから、
京都発着便の減便で収支が上向くといいですね。
京都からのお客をダイレクトに
獲得しようとしたようですが、
あまり集客増にはつながっていなかったみたいですね。
新幹線乗り継ぎの意味では、姫路で十分でしょう。