▼JR西日本は2023年12月15日に、北陸新幹線が2024年3月16日に金沢・敦賀間で延伸開業することにより、関連するダイヤ改正を発表しました。

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/231215_00_press_daiyakaisei_hokuriku.pdf

▼その概要について触れてみたいと思います。
東京・敦賀間の「かがやき」が9往復、東京・金沢間の「かがやき」は1往復の運転
東京・敦賀間の「はくたか」が5往復、東京・金沢間の「はくたか」は9往復の運転
東京・敦賀間の所要時間は速達タイプの「かがやき」では50分の短縮となります。

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北陸新幹線@金沢駅

▼しかし、東京から敦賀では、ダイヤ改正で3時間8分となりますが、現在の「しらさぎ」と東海道新幹線の「ひかり」利用で2時間50分なので、北陸新幹線の延伸はメリットがありません。

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▼福井からの各駅については、北陸新幹線の延伸のメリットは、東海道新幹線利用でも、ダイヤ改正前の所要時間との比較でもメリットが生じます。ただし、利用料金は在来線と比較して高くなります。この点はデメリットです。

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▼大阪からは現在、特急「サンダーバード」が金沢まで最多で1日25往復運転していますが、北陸新幹線の延伸によって、大阪・敦賀間に短縮されるが、1日25往復の運転回数は維持されます。

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サンダーバード@大阪駅

▼名古屋・米原からは、特急「しらさぎ」が金沢まで1日16往復運転されているが、北陸新幹線の延伸により、名古屋又は米原・敦賀間に短縮され、1日15往復の運転となります。

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しらさぎ@米原駅

▼敦賀から北陸新幹線は「つるぎ」が接続することとなり、金沢または富山間で1日25往復の運転となります。

▼大阪・金沢間では、北陸新幹線の延伸で、最速所要時間が22分の短縮となります。また、名古屋・金沢間では、北陸新幹線の延伸で、最速所要時間が16分の短縮となる。しかしながら、金沢までの途中駅の福井、芦原温泉、加賀温泉、小松では10分以内の短縮にしかなりません。

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▼「サンダーバード」及び「しらさぎ」では、普通席を全席普通指定席に変更し、自由席は廃止となります。

▼早朝、深夜時間帯に東海道新幹線と接続していた「しらさぎ」が廃止となり、これに代わるものとして、臨時快速列車が運転され、なんと、米原・敦賀間のノンストップ運転となります。

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▼敦賀・福井を除いての各駅では、東京と直結し、所要時間も短縮となるメリットはありそう。越前たけふは、現在の鯖江、武生からはかなり離れているので、アクセスが悪くなります。

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在来線・鯖江駅(WIKIPEDIA)

▼大阪からは敦賀での乗り継ぎ、名古屋からは米原・敦賀での乗り継ぎが生じ、利便性が悪くなります。

▼2024年元日に起こった能登半島地震の影響もあり、沿線での復旧もこれからで、北陸新幹線のメリットを十分に発揮できるには時間がかかりそう。

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輪島市の倒壊ビル(朝日新聞デジタル)

▼総じて、今回のダイヤ改正で見えてきたものは、微妙なものと言えそうです。

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「北陸新幹線金沢・敦賀開業に関連するダイヤ改正についての考察」への2件のフィードバック

  1. ま、北陸三県が東京直結を最優先した結果こうなってるので、
    いわば”地元の意向”ということなのでしょうが、
    とりわけ中京圏との往来は不便になりそうですね。

    北陸新幹線の敦賀以西の延伸については、
    米原接続に変更されていれば、
    開業時期や建設費など多々メリットがあったと思うのですが、
    このあたり、分割民営化の負の側面を感じずにはいられませんね(^^;。

  2. なんでも東京へつなげるって、
    中央集権的な日本の本質が
    出ていますね。

    敦賀以西の延伸はどうなるのか。
    ルート案が地元で分かれていて
    なかなか進みませんね。
    国鉄時代なら、米原経由で
    東海道新幹線に直結になったかもしれませんが、
    東海道新幹線はこれ以上列車を増やせないので、
    複々線になったかもしれません。

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