JR東海

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東海道新幹線N700Sの追加投入 ポスト・ドクターイエロー

▼JR東海は、東海道新幹線のN700Sを2026年度から2028年度にかけて17編成追加投入すると、6月14日に発表しました。

https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000043624.pdf

▼今回投入するN700Sの一部編成には、引退するドクターイエローが現在行っている検測を代替できるよう、営業車に検測機能を搭載することとなります。

N700A@米原駅

▼ドクターイエローの検測機能ほか、電車線金具異常検知装置や軌道材料モニタリングシステムを搭載することにより、電気設備、起動設備の保守作業の省力化を図ることとしています。これらの機能についてはすでにプレスリリース済みです。

▼また、飛来物検知機能を搭載して、パンタグラフへの飛来物の付着などを検知して、運転士や指令所に通知するほか、車両データの伝送機能を強化して、走行中の車両からより詳細なデータをLTE通信によりリアルタイムで伝送することとなります。

▼N700Sでは、搭載しているバッテリにより、長時間の停電時に安全な場所まで自走することとしていましたが、新たに停電時にバッテリにより空調を稼働させることができるようになります。ただ、自走との併用はできないようで、空調の動作時間も数十分間になります。

▼車内では、自動座席転回装置を搭載して、これまで清掃作業員が手で回転させていたのを自動で回転させ、車内整備作業の省力化を図ることとしています。この装置は、すでに近鉄、阪急など私鉄では導入済みで、やっとという感じではあります。

▼さらに、グリーン車よりもさらに上質な設備・サービスを提供する個室を導入することとしています。車両設計上、グリーン車と3,6号車以外に導入されることとなります。これについても、すでにプレスリリース済みです。

▼環境負荷の低減のため、車体への再生アルミ部材の適用範囲を屋根部以外に側面部にも拡げ、適用範囲が従来の約1.6倍となります。

▼また、世界初の機能として架線電圧を維持する機能を車両に搭載することで、変電所や電力補償装置の削減が可能となり、CO2の排出量を年間約1万トン削減できる見込みとなります。これについても、すでにプレスリリース済みです。

▼東海道新幹線の車両はどんどん進化していきます。

▼You Tube でもこの話題をアップしています。よかったら、ご覧ください。

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ドクターイエローの引退

▼JR東海、JR西日本は、6月13日、それぞれのドクターイエローの引退を発表しました。

【JR東海】https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000043619.pdf

【JR西日本】https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230613_00_press_dryellow.pdf

▼JR東海のドクターイエローは、正式名称を新幹線電気軌道総合試験車923形0番代(T4編成)といいます。

▼2001年9月からから東海道・山陽新幹線の検測走行を行ってきましたが、2025年1月をもって引退することとなりました。

▼約10日に一度、実際の営業路線を走行しながら、電気設備や軌道設備などの状態をチェックしています。

▼ドクターイエローの後継車は、2027年からN700Sに導入される営業車検測機能により代替されるので、ドクターイエローとしての後継車はないようです。

▼一方、JR西日本のドクターイエローはT5編成といい、2005年に製造され、JR東海のT4編成と交互に東海道・山陽新幹線の検測走行を行ってきました。

▼今後は、JR東海のN700Sが保有する営業用車両に搭載された検測機器により検測を行こととなります。

▼引退の理由としては、すでに製造されてから約20年が経過し老朽化が進んでいるためとしています。

▼時刻表にも掲載されていないので、出会うことは難しく、頻繁に走行していないため出会えたらラッキーということで、根強い人気がありますが、今後は黄色い車体での検測車はなくなるようで、ドクターイエローとしては姿を消すことになりそうです。

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北陸新幹線の金沢・敦賀間延伸開業によるデメリット【関西・中京圏からの乗客が減少】

▼2024年3月16日に、北陸新幹線の金沢・敦賀間が延伸開業しました。これにより、北陸圏と首都圏とは一本でつながりました。

▼一方で、関西圏から北陸圏へは在来線と新幹線の乗り継ぎが必要となりました。

北陸新幹線@敦賀駅

▼また、中京圏から北陸圏へは、これまでも、新幹線と在来線の乗り継ぎが必要であり、影響はないとみられていましたが、かなりの影響が出ているようです。

▼今回はこれについてみていきたいと思います。

▼まず、関西圏から北陸圏へは、北陸新幹線の延伸開業までは、在来線の特急「サンダーバード」一本で行くことができました。

サンダーバード@大阪駅

▼しかし、北陸新幹線の延伸開業で、敦賀までは在来線特急、その先は北陸新幹線に乗り換える必要が出てきました。

敦賀駅の乗り換え口

▼敦賀でサンダーバードから北陸新幹線に乗り換えるには、1階の在来線ホームから2階の乗り換え改札を通って、さらに3階の新幹線ホームに移動することになり、どう考えても乗り換えに10分以上はかかります。

乗換口への エスカレータ

▼大阪・金沢間では、最速所要時間が22分の短縮となりますが、それほど大きな短縮とはいえません。

▼さらに、利用料金も通常期で、大阪から金沢まで在来線と新幹線を乗り継ぎ、普通車指定席で乗車すると、乗車券が4,840円、指定席特急券が4,570円、合計9,410円となります。

▼一方、以前の在来線一本で大阪から金沢まで行くと、7,790円であり、その差額は1,620円も割高になります。

▼また、中京圏から北陸圏へは、在来線特急「しらさぎ」一本で行けました。名古屋・金沢間では、所要時間は16分の短縮となりますが、途中の福井、芦原温泉、加賀温泉、小松では10分以内の短縮にしかなりません。

しらさぎ@米原駅

▼通常期の利用料金では、名古屋・金沢間まで在来線・北陸新幹線を乗り継ぎ、普通車指定席で乗車すると、乗車券が4,510円、指定席特急券が4,370円、合計8,880円となります。

▼さらに、通常期の利用料金では、名古屋・金沢間まで東海道新幹線・在来線・北陸新幹線を乗り継ぎ、普通車指定席で乗車すると、乗車券が4,510円、指定席特急券が5,470円、合計9,980円となります。

▼一方、以前の在来線一本で名古屋から金沢まで行くと、7,460円であり、その差額は2,520円も割高になります。

▼JR西日本の2024年5月7日付けのニュースリリースによると、ゴールデンウィーク期間の北陸線の「しらさぎ」の利用状況は、米原・敦賀間で下りが前年度比49%、上りが同53%となっています。

▼同じく湖西線の「サンダーバード」の利用状況は、京都・敦賀間で下りが前年度比90%、上りが同91%となっています。

▼北陸新幹線の延伸開業による影響はゴールデンウィーク期間の利用状況で顕著に表れています。関西圏、中京圏からの利用者は減っています。とくに、中京圏からの利用の減少が激しくなっています。

しらさぎ@敦賀駅

▼「しらさぎ」の利用状況はかなり減少していますが、これは首都圏から東海道新幹線経由で北陸へ向かう乗客が北陸新幹線での利用に変わったことも大きな要因ではあるでしょう。

▼では、中京圏からの利用者が本当に減っているのかというと、JR利用は減っていますが、それに代わってバスの移動が増えているとみられています。

▼たとえば、JR名古屋駅前から金沢駅前行きの名鉄バスでは、時期により、最低3,600円から最高5,500円まで設定されています。所要時間は少々多くかかりますが、運賃はJRに比べると非常に安価で行けます。

名古屋駅新幹線口のバスターミナル

▼今回の北陸新幹線の延伸開業では、首都圏から北陸圏へはアクセスが向上し、関西圏、中京圏からのアクセスは悪化しており、それに伴い鉄道の利用者数が減少するという結果が現れました。

▼これまで、関西圏、中京圏とのつながりが強かった北陸圏ですが、北陸新幹線延伸開業により、ますます首都圏との結びつきが強くなるでしょう。

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