投稿者名:kumoha313

JR東海

JR東海の313系の魅力について【蔵出写真から】

▼今回は当ブログのドメイン名になっている「kumoha313」になっているJR東海の313系について過去の写真を蔵出ししながら触れたいと思います。

1100番台・B5編成@米原駅(2022.7.24)

▼鉄道コムの「鉄道コラム」で「1形式でここまでできる!『最強の汎用車両』313系」という記事が2025年7月29日に掲載されたのを読んで、やはり313系は魅力がいっぱいだなぁと思いました。

https://www.tetsudo.com/column/1216/

▼このコラムによると、313系は1999年にデビュー以来、JR東海の在来線の電化されている7路線すべてで運用されていました。

▼313系はこの6月末に引退した311系の後継車両として開発され、311系が60両しか製造されなかったのに比べ大量増備が行われました。

▼ウィキペディアによると、製造数は540両ほどあり、10年以上の長期間にわたって製造され、1形式でこれほど多い形式は少ないのではないかと思います。

▼車体は軽量ステンレス製で、運転席のある先頭部分のみ普通鋼で作られています。柔軟な編成が組めるよう貫通扉と貫通幌が設置され、前面の窓はパノラミックウインドウになっています。

▼側面は8000番台を除き、JR東海のコーポレートカラーであるオレンジ色の帯が巻かれるシンプルなデザインで、1999年度のグッドデザイン賞を受賞しています。

▼編成は2、3、4、6両とバリエーションがあり、東海道本線の快速列車から飯田線、見延線や関西本線などのローカル線まで幅広く運用が可能です。

3000番台・B313@名古屋駅(2011.5.3)

▼座席についても、車内すべてが転換クロスシートの0番台、転換クロスシート+車端部のみロングシートの1000番台、固定セミクロスシートの3000番台、「セントラルライナー」用の豪華な転換クロスシートの8000番台、ロングシートのみの2000番台、全座席が転換可能な転換クロスシートの5000番台といった6つの座席パターンがあります。

▼当ブログのタイトル部分にアップしている8000番台は、かつて名古屋・中津川間で運転されていた座席定員制の「セントラルライナー」用に開発されたものです。

8000番台@名古屋駅(2011.5.3)

▼座席は転換クロスシートですが、デッキ部には仕切り壁が設置され、座席モケットのカラーも特急用車両の373系と同様のものとなっています。

▼「セントラルライナー」は1999年12月から営業運転を開始し、全部で18両が製造されました。

▼しかしながら、2013年3月「セントラルライナー」としての運用は終了し、2022年3月に名古屋地区での運用を終了し、現在は静岡地区で普通列車として運用されています。

▼後期に製造された5000番台は新幹線や特急車両でも採用されている車両間ダンパが装着され、高速走行時の乗り心地改善が図られています。

5000番台・Y113編成@名古屋駅(2011.5.3)
5000番台連結部のダンパ@名古屋駅

▼電化されたJR東海の7路線で運用されていた313系ですが、中央本線の名古屋・中津川間の普通列車が315系に統一されたことで、2013年には中央本線の同区間での営業運転は終了しました。

▼1形式でこれほどバリエーションがあって魅力のある形式はかつての103系を彷彿させるものです。

0番台・Y15編成@名古屋駅(2024.4.7)

▼国鉄が民営化されてそれぞれのJR各社になってからは、各社で特徴のある車両が登場していますが、はやり313系が一番面白いと思うのは筆者だけでしょうか。(2025.8.1)

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道乗車記録へ

鉄道コム

近鉄

近鉄の阪奈間の臨時特急の増発について推察する

▼近畿日本鉄道は、大阪難波・近鉄奈良間で臨時特急を増発すると2025年7月29日に発表しました。

https://files.microcms-assets.io/assets/f76cb3f097104533921f6d6262a336ee/d3169bbd5956474fafb296ec16798b6d/250729.pdf

▼増発は8月30日(土)から当面の間としています。

▼平日では、大阪難波7時47分発、近鉄奈良8時27分着の一本で、8両編成の汎用特急で運転します。

▼土休日では、近鉄奈良16時50分発、大阪難波17時31分着の一本で、4両編成の汎用特急で運転します。

▼この増発の背景には、コロナ禍を経て、大阪・関西万博の開催もあってインバウンド客が急増していることがあげられます。

▼現在の平日の大阪難波発近鉄奈良行きの特急は7時、8時台は皆無で、増発列車の前後は快速急行と準急だけで、9時50分にようやく奈良行き特急がビスタカーで運転されます。

22000系@大阪上本町駅

▼同様に土休日の16時台の近鉄奈良発大阪難波行きの特急は、16時8分発の「ひのとり」の後はなく、増発列車の前後は急行と、快速急行があるだけです。

▼平日朝に大阪を出発して奈良へ行きたい観光客にとってゆっくり着席して移動できる特急がないのはちょっと残念です。

▼一方、土休日の夕方に奈良での観光を終え大阪へ行きたい観光客にとっても、ゆっくり着席して移動できる特急がないのは物足りないと思われます。

▼こうしたニーズを把握した近鉄では、この時間帯に臨時特急を増発したものと思われます。しかし、朝夕の過密ダイヤに増発列車を組み入れることは可能なのでしょうか。

▼平日の7時47分発の増発は、6時47分近鉄奈良発7時27分着の特急を折り返し運用することで実現できたのではないかと思います。この奈良発の特急はたぶん難波に到着後車庫へ回送されるため、それを活用したのではないかと思われます。

▼土休日の16時50分発の増発は、15時55分京都発16時30分着の特急を折り返し運用することで実現できたのではないかと思います。この特急も奈良到着後車庫へ回送されると思われ、また、この列車はビスタカーなので、4両編成の汎用特急という発表にも合致します。

30000系@布施駅

▼というわけで、近鉄では過密ダイヤの中でなんとかやりくりして特急を増発して、ニーズをくみ取り収益の確保にも資することができるのではないかと思われます。(2025.7.29)

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道乗車記録へ

鉄道コム

JR西日本

北陸新幹線大阪延伸 いつになるのか混迷深まる 政治に翻弄されることなく冷静に協議を進めてほしい

▼2025年7月20日に行われた参議院選挙の結果、京都選挙区ではすでに決まっていた「小浜・京都ルート」ではなく「米原ルート」の再検討を訴える維新候補がトップ当選しました。

▼これに対して、大阪府の吉村知事は7月22日に「米原ルート」についても費用対効果を比較検討すべきとの見解を示しました。(2025.7.22 NHK 関西 NEWS WEB)

▼7月23日には、JR西日本の倉坂社長が就任後初めての定例記者会見で、北陸新幹線の「米原ルート」の再検討を求める声に対して、乗客の利便性を考えれば京都駅周辺を通るルートが望ましいと改めて見解を述べました。(2025.7.23 YTV)

▼今回の選挙結果によって、北陸新幹線の大阪延伸問題が一層混迷を深めることとなりました。

北陸新幹線@敦賀駅

▼これまで大阪延伸のために検討されたルートは、米原ルート、小浜・京都ルート、舞鶴(小浜舞鶴京都)ルート、小浜ルート、湖西ルートと大きく5案があります。

▼5ルートについては、それぞれ長所短所があり、どの案が最適かということはなかなかいうことが難しいものとなっています。

▼こうした中、2017年3月、北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会からの最終報告を受け、与党整備新幹線建設推進PTでは「小浜京都ルート」を採用し、京都から大阪までは京田辺市松井山手付近を通って新大阪に至るルートを決定しました。

▼この決定が曲者で、与党整備新幹線建設推進PTは法的根拠は何もありません。法的根拠のないPTが決定しても政府として何も決定しているわけではないのです。

▼このPTの運営方法にも問題があり、反対する者を委員は委員にしない、批判は一切受け付けないといった参議院議員である座長の独善的な進め方が批判の的になっています。

▼また、整備検討委員会からは京都駅周辺のルートについて、東西案、南北案、桂川案の3案が示されました。

国土交通省・鉄道運輸機構資料

▼これに対し、京都市議会では市内地下深くにトンネルを建設する案について、地下水への影響などから反対する決議案が日本維新の会、国民民主党、共産党などの賛成多数で可決されました。(2025.6.6. NHK NEWS WEB)

▼これに先立ち2024年12月に開催された与党の整備委員会では、松井京都市長、西脇京都府知事の両者が「小浜京都ルート」に対する懸念を表明しています。

▼松井京都市長は、2024年12月の定例記者会見で地下水への影響、建設残土処分、工事による交通渋滞、地元の財政負担という4つの懸念をあげています。(2024.12.17 Merkmal)

▼「小浜京都ルート」地下水への影響、オーバーツーリズムなど京都市内の反対や地元自治体の首長の懸念、さらに今回の参議院選挙結果によりますます難度を上げています。

▼ここで、京都市内で建設工事が伴わない米原ルート、小浜ルート、湖西ルートの再考を求める動きがふたたび出てきました。

▼しかし、米原ルートについては東海道新幹線との接続に難があり、小浜ルートでは需要が各ルートの中で最小であり、湖西ルートでは東海道新幹線との接続問題や既存の湖西線の処遇問題などが生じます。

▼米原ルートについては、そのうちリニア新幹線が大阪へ延伸すれば、東海道新幹線のダイヤに余裕ができるので乗り入れについて検討の余地が出てくるかもしれません。

特急サンダーバード@敦賀駅

▼いずれにしても、普通に延伸工事を進めていくとしても、工期は15年かかると考えられています。さらに今回の京都での反対や懸念により、北陸新幹線が大阪にやって来るのはいつになるのやら。

▼北陸地域や敦賀以西の利用者にとっては、はやく延伸が進むことを望んでいますが、あちらを立てればこちらが立たずで、なかなか解決のめどは見つかりそうにありません。

▼一部の政治家に翻弄される決定方法ではなく、すべての利害関係者が合意を得る方向で、しかも法的な根拠のある協議体での議論が望ましいのではないでしょうか。(2025.7.25)

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道乗車記録へ

鉄道コム

上部へスクロール